Miyamoto Tree Service ニュース
2011年03月29日 [雑記]
昔の外科手術
20年以上前、まだ樹木医制度もなかったころの外科手術の手法です。
鉄筋にラス網、コンクリートという処置でした。
その当時、身近に入手できる樹木治療の書籍としては上原敬二大先生の「樹木の保護と管理」くらいしかなかったと思います。その本にコンクリート充填のことが詳しく記載されていたためか、全国的にコンクリートでの外科手術が行われました。
特に「樹医」と言われる方の治療は有名でした。
上原敬二「樹木の保護と管理」
その後、樹木医制度の発足とともに、ウレタンの充填が行われるようになりましたが、今ではその処置も施工されなくなりました。
ウレタンはコンクリートと違い、樹木を傷つけずに再治療が可能ということで普及しましたが、どうしても紫外線に弱く劣化してしまうのが欠点でした。
そして、コンクリートにせよウレタンにせよ、どちらも充填する際に腐朽部を削って、腐朽部と健全部の間にある防御層を傷つけてしまい、逆に腐朽が進んでしまうことが外科治療を行わなくなった大きな原因でしょう・・・
樹を腐らす腐朽菌も生態系の中では物資循環の重要な役割を果たしているので、これを人為的に止めてしまうことはやはり無理なのでしょう・・・
腐朽の進行を遅らせるには、樹木の活力に、ほんの少し手をかすことしか出来ないのではないでしょうか?。。。